おたふく風邪が難聴の原因に!?
日本耳鼻咽頭学会の過去2年間の調査で、おたふく風邪(流行性耳下腺炎)の後遺症により、重い両耳の難聴になった方が14人、片耳の難聴を含めると300人以上の方がいることが分かりました。
おたふく風邪は、ムンプスウイルスに感染することで発症し、感染力の強さから4.5年ごとに全国的な流行が発生します。唾液を分泌する唾液腺の一種である耳下腺(じかせん)の片側、もしくは両側に腫れが生じることが特徴で、発熱、嘔吐、全身の倦怠感などの症状がみられます。
合併症としての難聴
おたふく風邪による合併症の一つに難聴があります。ムンプスウイルスが鼓膜より内側の内耳に感染することで、音を電気信号に変換する有毛細胞に障害が発生します。これをムンプス難聴といいます。
ムンプス難聴は内耳に障害の発生する難聴のため、言葉の理解力が悪化する感音性難聴に分類されます。
一側性(片耳のみにおきる)の難聴の場合が多いですが、稀に両側の高度感音難聴を引き起こす場合があります。
ムンプス難聴の治療法は?
現在のところ、ムンプスウイルスに対する有効な手段はなく、ムンプス難聴に対しても有効な治療法はありません。
有効な治療法はありませんが、予防することはできます。ワクチン接種による予防が可能です。現在のところ、日本でのムンプスワクチン接種は副作用の報告があるため、任意の予防接種になっています。
ですがムンプス難聴になった場合には有効な治療方法がないのも事実ですので、一刻も早い安全で有効性の高いワクチンの登場が望まれます。