軟骨伝道イヤホンってなんだ?
こんにちは!メガネハットのブログマガジン「HutPress」です。
いつもご愛読いただきありがとうございます。
「軟骨伝道イヤホン」というものをご存知ですか?
近年、銀行や病院、警察署の窓口などで利用者向けに導入が進んでいるのが「軟骨伝道イヤホン」です。新聞やTVなどで紹介されることも多く、注目を集めています。
なぜ今、軟骨伝道イヤホンの導入が注目されているのでしょうか。
音を聞く第三の方法
音を聞く方法には大きく二つの方法があります。
(1)気道音
「耳」を使って聞く音が気道音になります。音は耳⇒外耳道⇒鼓膜を通り、電気信号に変換されて神経を伝わり脳に届きます。
メリットとしては明瞭度が高くよく聞こえます。
デメリットは周りの音がうるさい場所(工事現場などでは)では聞こえにくくなってしまいます。また、鼓膜や耳に問題がある場合も聞くことが出来ません。
(2)骨導音
「骨」を使って聞く音が骨導音になります。一般的には耳の近くの頬骨などに機械を当て、そこから音を出すことにって、音の振動が骨から内耳へと伝わっていきます。そのあとは気道音と同じく電気信号に変換されて脳に届きます。
メリットとしては騒がしい場所などでも聞くことができることです。また、外耳道が生まれつき形成されない外耳道閉鎖症などの方でも聞くことができます。
デメリットは気道音に比べて明瞭度が落ちてしまうということです。
軟骨伝道は(2)の骨伝導に分類される聞く方法です。2004年に奈良県立医科大学理事長・学長の細井先生が発見した方法で、従来の骨伝導に比べて重い頭蓋骨を振動させることがないため、中低音域の音が聞こえやすいメリットがあります。
軟骨伝道では耳の軟骨を使用して音を伝達させます。イヤホンを耳の中にはいれず、耳に乗せるイメージになるようです。
公共施設で選ばれる理由
軟骨伝道イヤホン、徐々に市役所や病院、警察署の窓口などで導入が進んでいますが、理由としては”清潔さ”にあるようです。
気道のイヤホンとは違い、穴がなく、耳の中に入れる必要がないため汚れにくいのが軟骨伝道イヤホンのメリットです。不特定多数の方が使用される場面では効果的に感じます。
難聴の方は要注意
ではこの軟骨伝道イヤホン、全ての方が聞きやすいかというと、そうではありません。
感音性難聴、いわゆる加齢性難聴の方は十分に効果を感じられない場合があります。
加齢性難聴の場合、「耳が悪い」と思われがちですが、実は耳の中の音を電気信号に変換する有毛細胞が原因と言われています。有毛細胞は加齢や騒音の影響で傷つき、壊れてしまうと再生することが出来ません。
また、最も傷つきやすい外側の有毛細胞が高音域の変換を行うことから、加齢性難聴の場合は高音域(女性の声など)から聞き取りにくくなります。
イヤホンを使用して音を届けても、電気信号に変換できなければ聞き取りにくいままなのです。
聞き取りにくいと感じたらまずは聴力検査を
最近聞き取りづらいなと感じたらまずは聴力検査を受けてみましょう。ヨーロッパでは早期の補聴器装用により補聴器の満足度も高いですが、日本では我慢してしまう方も多く、結果として補聴器装用が遅くなり満足度が低いのが現状です。
現在では補聴器に見えないイヤホン型のものや、耳の後ろに隠れてしまうもの、AIで自動調整する補聴器もあります。
ぜひ早期にご相談ください。