コンタクトレンズとメガネは同じ度数でいいの?
普段はコンタクトレンズ、休みの日はメガネといったように、コンタクトレンズとメガネを併用している方も多いと思います。そこで気になるのが、コンタクトレンズとメガネそれぞれの見え方ではないでしょうか。
同じ度数なら同じ見え方になるかと思われるかもしれませんが、実際は少し異なるようです。
知っておきたいレンズの特性
近視の方であれば近視を矯正する凹レンズ(オウレンズ)、遠視の方であれば遠視を矯正する凸レンズ(トツレンズ)を使用することになります。
これらのレンズには特性があり、凹レンズを通して見たものは小さく見えます。
度数が強くなるほど小さく見え、眼とレンズの距離が離れることでもより小さく見えます。そのため近視の方は矯正していれば、実際よりもものが小さく見えているはずです。
一方で遠視矯正の凸レンズは逆で、ものが大きく見える特性のレンズです。こちらも眼とレンズの距離が離れた方がより大きく見えます。
メガネにあってコンタクトレンズにないもの
眼とレンズの距離のことを『角膜頂点間距離』と言います。メガネの場合、角膜頂点間距離が短いとレンズにまつげが当たってしまうなどの問題点があります。逆に離れすぎると実際の眼で見たものの大きさと違って見えてしまう問題が起こります。
そのためメガネでは鼻パットなどを調整し、最適な角膜頂点間距離にする必要があります。最適な角膜頂点間距離の目安は12mmと言われています。
ところが、コンタクトレンズはこの角膜頂点距離を考える必要はありません。なぜなら角膜の上に乗せるのがコンタクトレンズだからです。コンタクトレンズの角膜頂点間距離は常に0となるのです。
角膜頂点間距離と見え方
角膜頂点間距離によって違いが生じてくるのは、ものの大きさだけではありません。見え方にも影響を及ぼします。
近視矯正用の凹レンズでは、レンズが眼に近づくほど度数を強く感じます。遠視矯正用の凸レンズでは逆で、近づくほど度数を弱く感じます。
これは度数が強いほど顕著に現れます。同じ度数でメガネを作製したのに見え方が違うと感じる場合は、この角膜頂点距離が関係しているかもしれません。特に鼻パットの付いたメタルフレームから、鼻パットの付いていないセルフレームに変更した場合などは起こりやすいです。
コンタクトレンズはテストレンズで見え方の確認を
見え方というものは度数だけでなく、レンズと眼の距離も関係してきます。つまり、同じ度数であっても眼とレンズの距離が異なるコンタクトレンズとメガネは同じ見え方にはなりません。
ただ、度数が強いほど顕著になるので、度数が弱い方ではあまり違いを感じないかもしれません。近視を例にすると-3.00という数字を超えてくると違いを感じやすいと言われています。コンタクトレンズの方が度数を強く感じるため、度数が強い方の場合はメガネよりも度数を弱くした方が良いと言われています。
そのため、コンタクトレンズでの見え方を決定する場合にはテストレンズを使用した見え方テストが必要になってきます。強すぎる度数は疲労や肩こり、頭痛の原因になりますので注意しましょう。