
補聴器でテレビを楽しみたいあなたへ
”聞こえ”を助けてくれる補聴器。最近では補聴器内部に高性能なコンピューターを搭載した機種が多く発売され、余計な雑音や騒音に悩むことも少なくなってきました。
ですが、補聴器に弱点がないわけではありません。その一つが”テレビ”です。補聴器購入の理由として、ご家族からテレビの音が大きいと言われたということは多くあります。上手く補聴器を活用しないと、テレビがよく聞き取れないということも・・・。
なぜ”テレビ”は弱点なのか?
補聴器がテレビの音声を弱点とするのは、難聴の仕組みと補聴器の特性、二つに理由があります。
・難聴の仕組みとテレビ
補聴器を必要とする多くの方が”加齢による難聴”が原因です。加齢による難聴の特徴は高音域と呼ばれる”高い音”の聴力が徐々に低下していくこと、言葉の識別能力が低下していくことです。
つまり加齢による難聴が進行するほど、女性の声などの高い音が聞き取りづらくなり、言葉の聴き間違いも多くなります。女性のアナウンサーや女優さんの言葉はどんどん聞き取りづらくなっていきます。
・補聴器の仕組みとテレビ
加齢による難聴の場合、音に対して敏感になる聴覚過敏を引き起こしている場合があります。症状がなくとも、過剰に音を大きくしていては逆に聴覚にダメージを与えてしまいます。
そのため、補聴器に必要とされる能力は必要な音だけを耳に届ける能力になってきます。不必要な音は雑音として大きくしない必要があります。
現在、多くのフルデジタル補聴器は自動で必要な音と不必要な音を判別することができます。ただ、多くの人が同時に話すテレビの音に関しては不必要な雑音と認識されてしまうこともあります。
雑音抑制をオフにしてみる
テレビの音声を聞くときには邪魔になってしまうかもしれない補聴器の雑音抑制機能。この機能をオフにすることでテレビが聴きやすくなることがあります。
ただ、常にオフにしている状態では騒がしい場所などの雑音が多い場所で困ってしまいます。その場合の対処法として”プログラム切替”があります。
静かな場所、騒がしい場所などの場面ごとによって補聴器の調整は変化する必要があります。最新の補聴器では、この変化を補聴器自身が判断し変化させていきます。
※フォナック補聴器オートセンスOS
また、装用者ご自身で変化させることもできます。機種によっては5個以上のプログラムを作成し、必要なときに切り替えることができます。この機能であれば、普段は雑音抑制をオンにし、テレビを楽しむときはオフにすることで様々な場面に対応させることができます。
補聴器の多くが、プログラム切替をワンタッチで行うことができます。
※補聴器の機種、形状によってはプログラム切替ができないものもございます。
テレビを楽しむ周辺機器
補聴器の調整でテレビを楽しむといっても、それだけでは上手く聞き取れない場合もあります。一つはテレビとの距離です。テレビとの距離が離れてしまうと、補聴器に音が届くまでに減衰してしまい聞きとれなくなることも。
かといって近づきすぎると眼に悪いですよね。そこで重宝するのが補聴器の周辺機器として販売されている”テレビパック”です。
※GNリサウンド TVユナイト
テレビに専用の送信機を繋ぎ、補聴器にテレビの音を送信します。補聴器からはテレビの音が直接流れますので距離に関係なくテレビを楽しむことができます。メーカーによって価格は異なりますが、¥30,000~¥50,000ほどが多いようです。
シーメンス補聴器からテレビ用の補聴器登場
2017年5月26日に、日本でトップシェアを誇る『シーメンス・シグニア補聴器』からテレビ通信タイプの補聴器『Pure 13BT』が発売になりました。
従来のテレビパックでは複雑になりやすかった補聴器とテレビの接続設定を一新。新開発の接続機器『ストリームラインTV』により簡単に接続設定を行えるようになりました。
また、『Pure 13BT』はiPhonとの接続にも対応。電話やアプリでのラジオも楽しめるようになりました。
補聴器を使ってテレビをおもいっきり楽しみたい方にオススメの補聴器です。ぜひご検討ください。