
一時的な近視『仮性近視』をご存知ですか?
近くのものは見えるのに、遠くのものが見えにくくなる近視。遺伝や環境など様々な要因でなることが分かっていますが、原因を特定するのは困難だと言われています。
ただ、スマートフォンや携帯ゲームの発達した現代では、裸眼視力が0.3未満の小学生が1979年から3倍になったとの調査(厚生労働省の調べ)もあり、環境が大きく関係しているのは明白です。
お子さんの場合、仮性近視の可能性も?
お子さんの場合、学校の視力検査で指摘されることがもっとも多いと思います。「すぐにメガネを作らなくちゃ」と思うかもしれませんが、まずは眼科を受診されたほうがいい場合もあります。それは『仮性近視』の可能性があるからです。
『仮性近視』とは『偽近視』・『調節緊張』・『調節痙攣』とも呼ばれるもので、一時的な近視の状態になることです。
眼の構造として、近くのものを見るときには毛様体筋という筋肉を使い、レンズである水晶体を膨らませてピント合わせを行います。『仮性近視』は、本来近くを見るときのみ行う上記の動作を、遠くを見るときも無意識に行ってしまう状態のことです。
仮性近視が通常の近視と異なるのは、一時的なことのため適切な処置をすれば治る可能性があるということです。逆に、仮性近視を放置していると、真性の近視になる可能性があるとも言われています。
仮性近視の見分け方
仮性近視なのか、真性の近視であるのかの判断は非常に難しいです。見た目や視力で分かるものではありません。一つの判断方法として、眼科や眼鏡店には『オートレフ(オートレフクラフトメーター)』と呼ばれる機械があります。
近視・遠視・乱視などの度数がどれくらいあるのか自動的に測定する機械ですが、この測定で良好な結果が得られるにも関わらず、実際の視力が低い場合には仮性近視が考えれます。
また、仮性近視は眼が極度の緊張状態であると考えられることから、緊張をとくための度数が入ったメガネをしばらく掛け、視力が改善された場合も、仮性近視の可能性が考えられます。
仮性近視の治療法
仮性近視の治療は眼科にて行います。治療には緊張を解くための点眼薬(目薬)を使用することが多く、意識的に遠くを見る望遠訓練などが行われます。
繰り返しになりますが、仮性近視なのか真性近視なのかの判断は非常に難しいところです。学校の検査などで視力の低下をはじめて指摘されたときは、眼科での詳しい検査を受けるのが効果的です。
仮性近視の予防
仮性近視は近くのものを見続けることになって起こることがあります。そのため長時間、近くのものにピントを合わせる作業は避けましょう。
・長時間の携帯ゲーム・スマホ操作を避ける。
・テレビは3m以上距離をとって見る。
・読書、筆記は正しい姿勢で適切な距離をとる。