【病的近視】強すぎる近視は失明の原因に!?
遠くのものにピントが合わなくなるため、見えにくさを感じてしまう近視。特に日本人(東洋人)は欧米人に比べて近視になる割合が多いと言われます。
近視になる原因は遺伝的要因や環境的要因など様々で、特定が難しいものです。ですが、強すぎる近視が様々な眼疾患を引き起こし、失明に至ることもあることが分かっています。
病的近視という近視
強すぎる近視は“病的近視”と言われ、様々な眼疾患の原因となるほか、失明に至ることもあります。これには近視のメカニズムが関係しています。
近視は眼球の成長と強い関わりを持っています。“軸性近視”と呼ばれる種類の近視では、眼球が成長することで眼軸(眼の表面である角膜から、眼の奥にある網膜までのこと)も伸びていきます。眼軸の長さが長くなりすぎると、網膜でピントが合わず近視となります。
眼軸帳が長くなるほど近視は強くなり、眼球は横長く引っ張られるような構造になっていきます。そうなると、網膜や脈絡膜(眼球を包む膜)も引き伸ばされ、眼底と呼ばれる部分に不具合が発生してきます。
脈絡膜新生血管
病的近視と関わりの深い疾患に“脈絡膜新生血管”があります。網膜の中心である黄斑(おうはん)と呼ばれる部分に破れやすい新生血管が侵入することで、視力の低下や見え方の歪み、黒く見えない部分が表れます。
現在では、新生血管の発生を抑える薬の注射や、レーザーによる新生血管の凝固などの様々な治療があります。
病的近視の可能性
眼軸の成長は成長期にもっとも見られ、20歳前後まで続くと言われます。ですが、病的近視の眼底の変化を発症する年齢は40代、50代以降が多く、年齢が高くなるにつれ発症率が高くなります。
近視の度合いが-8.00D(ディオプター)を超えると発症率は高くなると言われています。近視の度合いが強い方は、眼科での定期的な検査を受け、早期発見を心掛けましょう。