コンタクトレンズで眼が乾くのは、含水率が原因かも。
コンタクトレンズ装用者の一番の問題、それは眼が乾くこと。コンタクトレンズメーカー、ジョンソン&ジョンソンの調査ではコンタクトレンズを装用している時に乾きを感じている方は97%にもなるとのこと。
この眼の乾きの原因は
①涙が乾きやすい環境にある
②涙の成分が足りない
上記の2つが考えられます。
ですが、もしかしたらコンタクトレンズの方にも問題があるかもしれません。今回は眼の乾きと密接な関係のある”含水率”についてご紹介します。
含水率とは
含水率とはコンタクトレンズにどれだけの水分が含まれているのかを表している表記です。
※ジョンソン&ジョンソン社HPより
含水率が50%より低いコンタクトレンズは”低含水コンタクトレンズ”、50%より高いコンタクトレンズは”高含水コンタクトレンズ”と言われています。(ハードコンタクトレンズには水分が含まれないため、このような区別はありません)
一般的に高含水コンタクトレンズの方が水分が多いため装用感がよく、眼に馴染みやすいコンタクトとして販売されています。
では高含水コンタクトレンズのみ製造していればいいのでは?と思うかもしれません。そこに高含水の弱点が関係してきます。
高含水コンタクトレンズの弱点は”乾き”
コンタクトレンズを装用した直後は保存液がコンタクトレンズに十分含まれていますので眼が乾くということはほとんどありません。ですが時間が経つうちにコンタクトレンズは乾いてきます。
乾いてきたコンタクトレンズはそのままでは干からびてしまうため、涙を吸うことで本来の形状を保とうとします。ここがポイントです。
つまり高含水レンズほど多くの涙を必要とします。そのため涙が少ない方や、PC作業が多くまばたきが少なくなっている方などは余計に乾きやすくなってしまいます。
眼も呼吸をしています
もう一つ、高含水・低含水で変化するものがあります。それは眼に酸素を届ける酸素透過性です。
高含水レンズほどコンタクトレンズの厚みは増えてしまい酸素透過性は落ちてしまいます。一方で低含水レンズほど薄く製造できるため、酸素透過性は良くなってきます。
ここまで高含水・低含水について解説してきましたが、それぞれメリット・デメリットがあります。乾きに強く、酸素透過性もよい低含水レンズですが、装用感は高含水レンズには劣ります。高含水レンズも涙が多い方であれば乾きを感じることは少なくなります。
また、高含水レンズであっても保湿成分を配合したレンズや
従来の素材に比べて酸素透過性が高く、うるおいを保った新素材”シリコーンハイドロゲル”を採用したレンズもあります。
コンタクトレンズをこれから始めようという方、今のコンタクトレンズから変えようと思っている方、一度ご自身の眼とコンタクトレンズの相性を考えてみてはどうでしょうか?
*ご注意いただきたいこと
◎コンタクトレンズは高度管理医療機器です。必ず事前に眼科医にご相談のうえ、検査・処方を受けてお求めください。
◎ご使用前に必ず添付文書をよく読み、取扱い方法を守り、正しく使用してください。
◎少しでも異常を感じたら直ちにレンズをはずして、眼科医の検査を受けてください。