
ガラスレンズを選ぶときの注意点
メガネの度数が強い方、プラスチックレンズだと傷がつきやすい方、温度変化の激しい場所に出入りする方、上記に当てはまる方にはガラスレンズがオススメです。
ですが、ガラスレンズを選ぶ際には注意していただきたいことがいくつかあります。メリット・デメリットあるガラスレンズについてご紹介いたします。
落とすと割れる
ガラスレンズは表面が固く、プラスチックレンズに比べて傷がつきにくいレンズです。ですが衝撃に弱く、メガネを落としたり上から物が当たると割れる危険性があります。
テレビドラマやマンガなどでメガネレンズが割れる描写が多々ありますが、この描写はガラスレンズの特徴と言えるでしょう。
割れやすいというデメリットがあるため、注意したいのがフレーム選びです。まず構造として作製できないのが
・フレーム下部(または上部)のないナイロールフレーム
・レンズに穴をあけるリムレスのツーポイントフレーム
この2つの種類は作製することができません。また、上記以外のフレームでも掛け具合の調整が困難なものはメガネを落としやすくなるので避けたほうが良いでしょう。
過度に薄型を選ぶ必要はない
レンズは屈折率という数字が高くなるほど厚みが薄くなります。ガラスレンズは1.523という屈折率のレンズから、最大1.900という超々薄型レンズまであります。
薄ければ薄いほうが良いと思うかもしれませんが、過度に薄型レンズを選ぶことはデメリットが多いということを覚えておきましょう。
・レンズが重くなる
高屈折(薄型レンズ)になるほど比重という数字も上がります。比重というのは同体積の水と比較したときの重さです。例えば、屈折率1.5のガラスレンズの比重は約2.5。対して最も高屈折の1.9は約3.8となります。
度数が弱い方が高屈折レンズを選ぶと、薄さはあまり変わらないのに重くなってしまうだけとなります。購入時には注意してください。
・色の見え方が変化する
レンズにはアッベ数という数値が存在します。この数値が高いほど色にじみが少なく、本来の色と同じように見えます。そのため、アッベ数が高いほうが優れたレンズだと言えます。これはプラスチックレンズでも同じです。
高屈折レンズになるほどアッベ数は低下します。屈折率1.5のレンズでは約60だったアッベ数が、屈折率1.9のレンズでは約30まで低下します。
上記2点のように、薄くすることによってデメリットも生じてきます。薄型レンズになるほど高額になるため、とにかく薄いレンズをオススメするメガネ店もあるかと思いますが注意しましょう。
遠近両用・カラーレンズはプラスチックに劣る
現在の主流がプラスチックであることや、歪みのすくない非球面設計のガラス工程にコストが掛かることから遠近両用レンズの設計はプラスチックレンズに比べて劣っています。
また、サングラスのようなカラー染色においては、ガラスレンズは簡単に染色することができないためグレー・ブラウンのみ(またはブラウンのみ)というレンズが多くなります。
最新設計の遠近両用レンズや、オリジナルの度付きサングラスが欲しい方はプラスチックレンズを選ぶほうが良いでしょう。
メリット・デメリットを見極めて購入しましょう
光学性能においてはプラスチックレンズよりもガラスレンズが優れています。耐熱性もあり、傷もつきにくいので長持ちするメガネレンズです。
一方で、遠近両用やカラーレンズに関しては設計や選べる種類が限定されてしまいます。また、プラスチックレンズでも同様ですが、薄型になるほど重くなり色にじみが発生します。
メガネ店選びにおいても、上記のメリット・デメリットを説明してくれるお店を選ぶようにしましょう。そして快適なメガネライフをお楽しみください。