球面?非球面?両面非球面?あなたに合うレンズ設計は?
メガネのレンズで大切なのは度数。度数さえしっかりしていればレンズの設計はどれも同じ。なんて思っていませんか?
メガネレンズは見た目が同じでも、設計の違いによって”感じ方”が変化します。違和感を感じるのであまりメガネは使用したくないという方や、コンタクトレンズの時には違和感を感じないけどメガネだと感じる方は一度”レンズの設計”について考えてみてもいいのかもしれません。
今回は遠く・近くなど目的に合わせる”単焦点レンズ”の設計についてご紹介いたします。
レンズは中心が最も良く見える
レンズ設計について考えなくていけない原因は、”収差”という見え方の差が関係してきます。メガネレンズは目的に合わせて中心が厚い凸(とつ)レンズと、端が厚い凹(おう)レンズを使い分けます。
レンズに場所によって厚みが異なるため、光の曲がり方もレンズの場所によって変化してきます。最も理想的な曲がり方をするのがレンズの中心部分で、中心部分から離れるほど理想的な曲がり方とは異なっていきます。これが収差と呼ばれる現象の1つです。
球面設計と非球面設計
レンズ設計の違いは上記の”収差をどれだけ少なくできるか”が鍵になっています。現在では多くのメガネ店で非球面設計のプラスチックレンズが標準レンズ(フレームとレンズのセットで付くレンズ)になっています。
非球面設計は従来の球面設計レンズに比べて中心部の厚みと周辺部の厚みの違いが少なくなっています。このため、球面設計よりも収差(見え方のズレ)が少なくなっています。
※東海光学HPより 球面設計と非球面設計の違い
度数が強い方、乱視が強い方は両面非球面がおすすめ
レンズの中心部と周辺部の厚みの違いが収差(見え方のズレ)の原因となるため、レンズが厚くなる度数が強い人ほど収差は大きくなります。
そこでおすすめが”両面非球面設計レンズ”です。レンズの表・裏をともに非球面化することにより設計上もっとも収差の少ない設計となっています。
・度数が強く、顔の輪郭のズレを少しでも抑えたい方
・コンタクトレンズとの併用が多い方
・乱視の強い方
上記のような方には特に両面非球面設計がおすすめです。ぜひご検討ください。
同じ度数での設計変更は注意
今まで使用したいたメガネと同じ度数でメガネを購入したのに見え方が違うかも?と感じたことがある方、それは設計の違いが原因だったかもしれません。
同じ度数であれば、球面設計から非球面設計に変わっても矯正視力(メガネを掛けて見た視力)はほとんど変わりません。ですが、少し注意が必要です。
同じ度数で球面設計から非球面設計に変わった場合、
度数を弱く感じることがあります。
同じ度数なのにも関わらず、見え方に違いを感じるのはフレームの大きさや眼とレンズの距離も関係してきますが、レンズ設計の違いがあることも覚えておきましょう。
球面設計はいいところがない?
基本的な光学性能は非球面設計の方が優れています。ですが、フレームカーブの強いメガネ(サングラスなど)の場合は球面設計のレンズが適しています。
ぜひ、フレームだけではなくレンズにもこだわってメガネを作製してみましょう。