遠近両用メガネは大きいレンズで!
40代にもなると、気になるのが”近くにピントが合いくくなる症状”。ピントを調節する筋肉量の低下によって引き起こされる症状で、老眼の始まりです。
そこで必要となるのが”遠近両用メガネ”。レンズの上部には遠くを見る度数が組み込まれ、レンズ下部には近くを見る度数が組み込まれています。
~詳しい構造はこちらの記事もごらんください~
遠近両用メガネに関してお客様からお問い合わせを受けるのが、レンズの大きさです。「大きくないとダメなんでしょ」と言われますが、今回の記事ではどれくらいの大きさがあればいいのか解説いたします。
大切なのは”縦の長さ”
遠近両用レンズは上部と下部で度数が変化する構造です。近年主流となっている”累進レンズ”では、ある部分を境に急に変化するわけではなく、徐々に度数が変化していきます。
この徐々に変化していく性質上、ある程度”縦の長さ”があるレンズの形状でないと度数の変化が入りきりません。縦に短いレンズを選んでしまうと、度数の変化が途中で切れてしまうため満足いく見え方にはなりません。
「大きくないとダメなんでしょ」というお問い合わせは正しいのですが、大事なのは”縦の長さが十分にある”レンズかどうかということです。
目安は500円玉
ではどれくらいの大きさなら良いのか、というお話になりますと”目安として500円玉が入る大きさ”だと思ってください。
500円玉の縦の長さは約28mm、これぐらいの長さがあれば度数の変化は入りきります。逆にこれより短いと度数の変化は入りきらない可能性が高くなります。一つ目の目安として、500円玉を想像していただければ選びやすいかと思います。
度数が強い方は大きいレンズを
年齢を重ねるごとに近くにピントを合わせる能力は低下していきます。そのため、遠近両用をお使いいただいていても徐々に近くは見え辛くなってしまいます。
そうなると度数を強くした遠近両用メガネが必要になってきますが、度数を強くする場合は注意しなればいけないことがあります。
・ゆがみの部分も大きくなる
遠近両用レンズには、他のレンズにはない弱点が一つあります。それが視界横端の”ゆがみ”です。
遠くから近くにピントを合わせる様々な度数を組み合わせる構造上、違和感の原因となる”ゆがみ”はどうしても発生してしまいます。特に強くなるのがレンズ下部の横端部分。度数が強いほどゆがみの量も多くなってしまいます。
また、遠近両用の掛けはじめが遅い方も最初から度数の強い遠近両用レンズが必要な場合が多く、ゆがみが多くなってしまうこともあります。初めての遠近両用は少し弱めの度数でお作りいただくのがオススメです。
ゆがみの解決策としてはいくつかあり、一つが度数の変化を緩やかにする方法です。累進体長という、遠くから近くにピントを合わせる度数の変化の長さは、短いほど小さいフレームに対応しますがゆがみの量も多くなります。
累進体長が長いほど度数変化は緩やかになり、ゆがみの量も少なくなります。
遠近両用が初めての方、度数が強い方などはなるべく縦の長い形状のフレームを選択し、度数の変化を緩やかにすることで快適な遠近両用メガネがお作りいただけます。
まとめ
・遠近両用メガネで大切なのは”フレームの縦の長さ”
・目安として500円玉が入る大きさがあれば大丈夫
・初めての方、度数が強い方は大きめレンズで度数変化を緩やかに