眼の悪さは遺伝する!?視力と遺伝の関係性
「裸眼初力1.0未満の小学生が過去最多」文部科学省の驚きの調査結果が発表されました。視力1.0未満のこどもは増加傾向にあり、昭和54年には20%いなかった視力1.0未満の小学生は、平成27年には30%まで増加しました。
参考資料『平成27年度学校保健統計』
この背景には、スマートフォンやTVゲームなどの登場による生活環境の変化が言われていますが、眼の悪さは遺伝も関係していると言われます。眼の悪さの原因はどこにあるのでしょうか?
眼が悪くなる二つの原因
病気以外での視力低下の場合、考えられるのは近視・遠視・乱視といった状態です。これらは簡単に説明すると”なんらかの原因によりピントが合っていない状態”と言えます。
眼の中にはレンズの役割をする角膜・水晶体という部分と、フィルムの役割をする網膜と言われる部分があります。対象物との距離により角膜・水晶体というレンズが調節を行い、フィルムである網膜に映像を投影します。
ですが、調節が上手く機能しない場合は網膜に映像が届かないため、ぼやけて見えてしまいます。その原因には下記のようなことがあります。
・レンズの調節力が強すぎる、弱すぎる
近くのものを見る時間が多い場合、眼のピント調節機能が固定されてしまい遠くのものを見ようとしてもぼやけてしまうことがあります。これはレンズの調節力が強すぎるためです。
上記のように、レンズの調節力が強ぎたり、弱すぎることが視力低下につながります。こういった近視や遠視を『調節系近視』『調節系遠視』と呼びます。
・フィルムまでの距離が長すぎる、短すぎる
成長して身長が伸びるように、眼も大きくなっていきます。この成長段階でレンズの調節力以上に眼が大きくなってしまったりすると、フィルムに映像が届かず近視となってしまいます。これを『軸性近視』と呼びます。
また、生まれつき眼が小さくピントがフィルムの後ろにいってしまうことを『軸性遠視』と呼びます。眼に衝撃を受け、眼が変形することでもなる場合があります。
軸性は遺伝の可能性が高い
眼の大きさに由来する『軸性近視・遠視』は遺伝の関係性が高いと言われています。また軸性近視の方は、メガネを外してしまうと生活ができないほど強い度数の方が多いと言われています。
一方で、調節系近視はそれほど強い度数になることは少なく、近くのものを見ることが多くなる、学生の頃からなる方が多いと言われています。
生活環境も大きな要因
眼が悪くなる原因として『調節系』『軸系』と二つの原因を紹介しましたが、はっきりと解明することはできません。眼が悪くなる要因は生活環境含めて様々あります。
視力1.0未満のお子さんが年々増加していることを考えると、遺伝よりも生活環境に由来していることが多いと考えられます。
眼を酷使することは視力低下につながります、視力低下が気になる方は、まず生活環境の改善から始めたらいかがでしょうか?