実は30代から聴力は低下する!加齢による難聴の注意点
体力、記憶力、集中力、年齢と共に低下すると言われていますが、聴力も人事ではありません。意外かもしれませんが、聴力の低下は30代頃から始まっていると言われています。
加齢による難聴、いわゆる『老人性難聴』と言われると、70代や80代の人のことを考えるかもしれませんが、実は加齢による聴力の低下はそれよりもずっと前から徐々に始まっているのです。
徐々に低下する”高音”の聞き取り
30代から聴力の低下が始まると言っても、ある日突然聞こえなくなるわけではありません。加齢による聴力の低下で特徴的なのが、”高音”とされる高い音の聞こえが低下してくるのです。
(※フォナックHPより)
高い音に代表されるのは、鳥の鳴き声など。人の声は2,000Hzほどの中音域に分類されますので、一般的には40代50代でも聞こえの低下を感じることは少ないです。
つまり、人の声が聞こえない、会話を聞き返すことが多くなるといった難聴の症状が出てきたときには、聴力の低下がかなり進行してしまっていると言っていいでしょう。
やっかいな言葉の認識力低下
加齢による難聴は、鼓膜よりも体の内側である『内耳』と呼ばれる部分から神経回路の『音を感じる』部分の障害によって起こる『感音性難聴』という難聴に分類されます。
”音を感じる力が低下する難聴”と考えていただければ良いかと思いますが、感音性難聴のやっかいなところが、言葉を正しく聞き分ける力が低下してしまうことがあることです。
語音明瞭度、語音弁別能と呼ばれる言葉の識別能力についても、聴力測定時に行っています。聞こえが低下したままだと正しく聞き分ける力はどんどん低下していきます。
語音弁別能の正答率とコミュニケーション
・100%~80%
聴覚のみで会話を容易に理解できます。
・80%~60%
日常会話のほとんどが理解できますが、不慣れな話題になると聞くことに集中が必要。
・60%~40%
日常会話でも内容を正確に理解できないことがあります。重要な内容は確認やメモが必要となります。
・40%~20%
日常会話にて筆談などが必要になります。
・20%未満
聴覚のみでの会話の理解は困難です。
実は語音弁別能は、補聴器を装用して聞こえを補っても向上させるのが困難です。ですが装用しないままでは、さらに低下してしまうこともありますので、聞き分ける力の維持のためにも補聴器は必要になってきます。
突然聞こえなくなるのは突発性難聴
加齢になる難聴、聴力の低下は徐々に進行していきますが、突然聞こえなくなる『突発性難聴』も気をつけなければいけません。歌手の浜崎あゆみさんも突発性難聴を経験しており、一般的に40代~50代に多いと言われてきましたが、若い人でも増加傾向にあります・
突発性難聴は早期治療が最重要です。片耳で起こるのが一般的ですが、両耳で起こる事もあります。聴力の低下というよりも、”突然聞こえなくなる”という表現が通りなので、症状を感じたらすぐに耳鼻科を受診しましょう。
女性はこちらも注意
また、女性には突発性難聴と似た症状の『低音障害型感音難聴』と呼ばれる原因不明の難聴を訴える人が増加しています。
ストレスや睡眠不足、疲労が関係していると言われ、めまいや耳鳴りを引き起こします。こちらも早期治療が重要ですので、症状を感じたら直ぐに耳鼻科を受診しましょう。
”聞こえ”はコミュニケーションに大切なこと
視覚と聴覚の重度障害者であったヘレン・ケラーは”見えないことよりも聞こえないことの方が不運”という内容の手紙を残しています。これはコミュニケーションにとって、言葉を交わす・聞こえることが最も重要であると考えていたからです。
聞こえの構造はかなり複雑で繊細です。毎日の聞こえに少しでも違和感を感じたら、聞こえの具合を調べてみましょう。
メガネハットでは聞こえ具合のご相談を毎日承っています。お気軽にお声掛けください。