暗いところで物が見えない【とり目】はなぜ起こる?
暗いところでは物が見えない、いわゆる「とり目」といわれる現象。夜盲(やもう)とも言われますが、筆者自身もとり目です。家の鍵穴が見つからず、5分以上格闘したこともあります。
このとり目(夜盲)には先天性と後天性があり、原因がそれぞれ異なります。
先天性のとり目(夜盲)
先天性のものには、光を感じる部分である網膜に異常が起こる『網膜色素変性症』、とり目(夜盲)のみが症状である『小口病』、眼底部分に多くの白点が生じる『眼底白点症』などがあります。
網膜色素変性症と小口病に関して、少し詳しく解説します。
・網膜色素変性症
光を感じる部分の網膜に異常が起こり、とり目(夜盲)・視力低下・見える範囲が狭くなる視野狭窄を引き起こします。遺伝子異常が原因とされていますが、原因となる遺伝子異常は特定が難しいと言われています。
進行性ですが個人差が大きく、とり目(夜盲)が一番最初に気づくことが多いと言われています。いまだ治療法が確立されておらず、難病として指定されています。
・小口病
明治時代の眼科医、小口忠太が発見した病気であるため『小口病』となっています。網膜色素変性症とは異なり、明るい場所では視力・視野共に正常でとり目(夜盲)のみが症状だと言われています。
進行することはないと言われていますが、50代以上になると見える範囲に異常が生じる視野障害が起こる場合もあると言われています。現在のところ有効な治療法はありません。
後天性のとり目(夜盲)
後天性の場合、ビタミンAの欠乏が考えられます。ビタミンAは皮膚や粘膜を守り、正常な見え方には欠かせない栄養素です。
ビタミンAはほうれん草やにんじんなどの緑黄色野菜に多く含まれるほか、たまごやチーズ、レバーなどにも多く含まれています。ドライアイにも効果的と言われており、眼にとっても重要な栄養素ですので不足しないようにしたいですね。
ただ、ビタミンAの過剰摂取は頭痛やめまい、吐き気を引き起こすとともに、妊娠中の人には赤ちゃんに影響を及ぼすことがあるので取り過ぎには注意してください。