熱クラックにお気をつけください
全国的に夏日、猛暑日が増え、かなり暑い日が多くなっています。暑い日は苦手な方が多いと思いますが、メガネも暑さは苦手です。
特にプラスチックレンズ。現在、日本国内で販売されているメガネの9割り以上がプラスチックレンズを使用しています。今回はプラスチックレンズの弱点である”熱”と熱クラックについてご紹介します。
レンズにヒビが入る熱クラック
プラスチックレンズに熱を加えた場合、ある変化が発生します。それが熱クラックです。
上の写真はカラーレンズに熱風を2~3分ほど加えた写真です。レンズにヒビのような線が入っているのが分かるでしょうか。これが熱クラックです。
プラスチックレンズには傷を防止するハードコート、光の反射を防ぐ反射防止コートなどのコーティングが施されています。これらコーティングは無機質という熱を加えても膨らまないものですが、レンズそのものであるレンズ基材は有機物で、熱を加えると膨らみます。
熱により膨らんだレンズ基材は、膨らまないコーティングを破ってしまいます。これが熱クラックの原因です。
熱クラックが起こる原因
熱クラックが発生する温度として60°以上を一つ目安としてください。
※60°以下でも時間、環境により熱クラックが発生する場合があります。
60°以上の熱が加わる要因として以下のようなものがあります。
・車内でのメガネの保管
炎天下の車内温度は約50°。ダッシュボード部分などの直射日光があたる場所では70°以上にもなります。エアコンを作動してもダッシュボードの部分はあまり温度が下がらず60°以上にもなります。
メガネ・サングラスの車内での保管はできるかぎり避けましょう。熱クラックはごく短時間で発生する場合もあります。
・ドライヤーの熱風
ドライヤーの熱風温度は100°~110°に設定されていることが多いと言われています。100°ほどの熱になると熱クラックだけではなく、レンズの変形も引き起こされます。
ドライヤーの使用時にはメガネを外したり、メガネに熱風が当たらないようにしましょう。
・サウナでの使用
サウナの温度も90°ほどの場所が多く、メガネにとっては適さない環境です。汗などによりフレームの劣化を早めることになりますので、サウナでのメガネ使用は避けましょう。
・調理による熱
ガスコンロやクッキングヒーターの熱も100°を超えるため、熱クラックの原因となります。これからの季節、バーベキューなどをされる方も多いかと思いますが、メガネに熱風が当たらないようにしましょう。
熱クラック対策
このように熱クラックの原因は日々の様々な生活に関係しています。熱クラックを未然に防ぐには、レンズに熱を加えない、熱風にあたらないなどありますが、レンズの設計でも対策することができます。
・ガラスレンズ
ガラスレンズは300°以上の熱に耐えることができ、熱クラックの心配がありません。ただ、ガラスレンズの性質上、重くなる、フレームの種類が限られる、オシャレなカラーにできない、などデメリットもいくつかあります。
・プラスチック耐熱コート
熱クラックの原因でる無機物と有機物の違いを解消したレンズコーティングです。110°ほどの熱に耐えることができ、ガラスレンズのデメリットはありません。
※TSL、HPより
運転の時に使用することがほどんどという方や、料理・バーベキューが好き、仕事で暑い場所にいることが多いなど、様々な方にご満足いただけるレンズです。
ぜひ、この夏の熱クラック対策に耐熱コートレンズをお選び下さい。