
カクテルパーティー効果と難聴
私たちの聴覚には聞き取るための便利な機能が備わっています。
例えば、電車を待つ駅のホームでの会話や、雑踏の中での少し離れた場所からの呼び声、これらを難なくこなせるのは聞こえのピント調節機能とも言われる『カクテルパーティー効果』のおかげです。
カクテルパーティー効果の仕組み
不要な音と聞きたい音に選別をする『カクテルパーティー効果』、正確な仕組みに関しては解明されていないところもあります。
仕組みについて多く言われるのが、”音”は耳に入ったあと電気信号に変換され脳で情報処理されます。
その際に左右の耳で音源の位置を特定し、周波数ごとに分類、必要な音だけをピックアップして情報処理を行っているのではないかと言われています。
また、必要な情報を片耳に集めて聞いているのではないかとも言われています。
ちなみに、視覚でも似たような現象があります。
スーパーマーケットやコンビニでペットボトルのお茶を買いに行こうとします。”ペットボトルのお茶”という意識したもの以外はあまり気にならなくなります。
あらかじめ”自分の名前”や”関心のあるキーワード”をいくつか脳が設定しておくことでカクテルパーティー効果が機能してくるのかもしれません。
難聴になると
加齢による感音性難聴(音を感じる能力の低下)が生じると、カクテルパーティー効果の機能は弱く、または機能しなくなると言われています。
感音性難聴は音を電気信号に変換する有毛細胞の変性が原因であり、高い音を変換する部分から変性してくるため、高い音域にある言葉の子音は低い音域の音にかき消されてしまいます。
加齢による難聴は、言葉の識別や音の取捨選択が苦手になると考えましょう。
補聴器とカクテルパーティー効果
録音した音声を聞いた場合、カクテルパーティー効果は機能しないと言われています。残念ながら補聴器装用も同様であると言われています。
では難聴に対して補聴器は効果がないのか、と言うとそうではありません。
補聴器の両耳装用が効果的です。カクテルパーティーの仕組みで、音源の位置や、片耳に聞きたい音を集中するのが仕組みの一つで記述しましたが、補聴器を両耳に装用することにより、同様の効果を得られることが分かっています。
(フォナックHPより)
快適な聞こえのために、補聴器の両耳装用をご検討ください。